アンティークに魅了されて

アンティックでインテリアされた空間が自分にとって心地の良いものだと気づいたのは、店を作るずっと以前からでした。
新しいものとは違い売られている時点で2つと同じ物が無かったり、
経年劣化を起こし風合いが出ていたり欠損していたり、
少し利便性には欠けているが愛着がわきやすいなど、
理由は様々ありますが一般の既製品に比べ、一点一点に個性と主張があります。
それをまとめ上げる為の遊び心と自由な発想が私の好む空間作りをインテリアする為に、
必要不可欠なものとなりました。
アンティークを好むのと同じ理由で、もっと昔からユーズドファッションが好きなとこから初まっている様な気がします。
世代的にユーズドのビンテージやデットストックがもてはやされていた、ファストファッションが広まるずっと以前です。
1950〜70年代のTシャツやジャージ、ジーンズと集め出すと本当に切りが無く特に衣服なので際限なく買いまくってました。
美容師としてスタイリストになる頃にはファッションのジャンルは変わっていましたが、
あるデザイナーとの出会いで空間をアンティークだけでなく、モダンスタイルと組み合わせてコーディネートする事で、より洗練され新鮮で遊び心のあるものに変わるのだと知りました。
年代や様式に固執せず素材や色、形や大きさ様々な各国のアンティーク家具や照明、小物にモダンスタイルのコンクリートやスチールなどの組み合わせで作り出されるインテリアデザインは時代の移り変わりにも左右されにくい、当時の私にはとても新鮮なものでした。
自分の店を立ち上げる事を決意した時も、コーディネーターとしてそのデザイナーさんを迎え、より新鮮なものを求め、
「オシャレで洗練されていてワクワクするそんな空間を作りたい。」
そんなアバウトなイメージから構想に構想を重ね、『Snob Angela』は誕生しました。
オープンから8年が経過する中で、少しずつ手を加え今のかたちになりました。
こだわって向き合ってきた甲斐あってお客様からコーディネートを褒めて頂ける機会は多いです。
自分が好むものから新しい出会いがあり、出会いが夢を膨らませ実現することが出来た。
何かに強く興味をもつこと、魅了されることは、新たな「なにか」を創造していく原動力に
なるのだと思います。
窪田 政光