読書感想文
こんにちは
enVAmpの藤井です。
年末年始に特にコレといって全く何もしていないインドア代表で読書感想文を書きたいと思います。
私はいろいろなホラー以外のいろいろなジャンルの本を、同時進行で読み進めるのが多いのですが
最近の気分は「少し薄暗い背景の人間ドラマ」がツボだったのでしょうか、評判を聞いて読んだこんな2冊をお勧めします。
1冊目
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霧笛荘夜話 (角川文庫) (2008/04/04) 浅田 次郎 |
あらすじ
とある港町、運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。かつては、東洋趣味の外国人貿易商の別宅として使われていたらしいその建物には、いかにも異国情緒あふれる不思議な装飾が施されている。
「霧笛荘」には、アパートを管理する纏足の老婆が住んでおり、六つの部屋が用意されている。あなたは老婆に案内されて一つ一つの部屋をめぐり、かつてそこに住んでいた人々の人生の物語を聞かされる。「霧笛荘」の住人はみな、不器用だけれども誠実に、普通とは少し違っていてもそれなりに幸せに生きていたのだが――比類ない優しさに満ちた、切ない感動を呼ぶ七つの物語。
短編集なので、とっても読みやすいのですが
ふとした瞬間に、日常からこんなアパートに住む住人になってしまうかもと
すっかり移入して読み進めていました。様々な人達の少し寂しくて暖かい霧笛荘の生活が
幸せの定義を問いかける本です。
2冊目
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八日目の蝉 (2007/03) 角田 光代 |
あらすじ
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか--理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。
こちらは、かなり内容が女性向きでした。追いつめられていくドキドキ感よりも、人と人とのつながりを客観的にも主観的にも書かれていることによって考えさせられる本です。レビューなどでは賛否両論でしたが、私は希和子がフェリー乗り場で最後に薫の為に叫んだ言葉は、切なくてジーンとしました。
どちらも日常起こりうる問題から、ふとしたきっかけで人生を掛け違えた状況で始まる生活の中で、失う事、見直す事、発見する事、何も変わらないこと、そういった事を登場人物と一緒に考えてしまう様な小説でした。
若干気分が重くなるので、もし興味をもたれた方いらっしゃったら、ぜひ元気な気分の時に読むのをお勧めします。
いつも読みかけか買いだめされている本があるので、遅くなりますがオススメの本があればぜひ教えてくださいね。